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【雪風流・空想小説】 静かなる隷嬢②
2018/06/16(Sat)
「あや、飲むかな」
「はい、いただきます」
 促されて、コップを手にすると、大道寺がゆっくりとビールを注いだ。
「いただきます」
 あやは、コップをゆっくりと口に運び、静かに一口ビールを飲んだ。
「おいしいですね」
 あやは、そういいながらもう一口運んだ。
 しばし、大道寺の雑談に付き合いつつ、ビールと肴を楽しむ。

「早速だが、どうだい、この隷は」
「まだ、会ってから10分も経ってないぜ」
「急かして、すいません。でも、見抜く力は、俺よりもすごいはず。何かを感じたかな」
「そうだな。あえて言えば、表では静かに行動、落ち着いた感じだが…」
「別の場所、二人きり、裏では」
「それは、わからない。服を着ている隷と全裸の隷とを比較するのに近くないか」
「そうだな、そうとも言える。ぜひ、この隷をイチから育ててやってもらえないか」
「少しは考える時間をくれよ。まあ、ぱっと見、外見的にはOKだと思うが」
「じゃあ、決まりだ。頼みましたよ、センパイ」
「まだだ。今日は時間があるから、隷と少し話をしてみて後で連絡を入れるよ」
「じゃあ、俺はお邪魔虫になりそうだから。もう少ししたら、先に出るよ。ちょっと寄り道もあるし」
「そうか。じゃあ、テーブル少し片づけて行ってくれ」
「はい、はい。では、いただきますよ」
 そういいながら、肴を口に運びつつ、ビールを飲んでいる。
 相変わらず忙しいな、大道寺は。
「じゃあ、あとでLINE入れてくれますか。お願いします、センパイ」
「夜には、連絡するよ」
「この隷、絶対イイと思うよ。お願いします」
 そう言いながら、大道寺は、店を後にした。
 お代は、また「俺持ち」か。

「Yさん、差し出がましいのですが、少しお話しさせていただいてよろしいですか」
 隷なのに、いや隷候補と言うべきか。
先に話しかけてくるのは、珍しい。
「なんでしょう」
 少し小声になりながらも、あやは話を続ける。
「私、あやをご調教いただき、お育ていただけるのでしょうか」
「正直申し上げれば、まだ決めかねています」
「はい」
「まだ私は、あやさんと少ししか会話をしていませんし、わずかな時間しかご一緒していません」
「はい」
「少し話をして、また伺いたいこともありますので、その上でどうするか決めさせていただきたいと思います」
「差し出がましいことを申しまして、申し訳ございません」
 そういいながら、静かに頭を下げた。
「まあ、表を上げてください。まだ対の関係に進めているのではありませんから」
「はい。ありがとうございます。私は、ぜひY様にお願いをしてみたいと、今、思っております」
「ここでは、話しにくいこともありそうですね」
「はい。他の場所、個室などでしたら…」
「では、もう少ししたら、別の場所に移動しましょう」
「お手数をおかけし、申し訳ございません」
「いや、いや」
 なかなか、主の心をくすぐる会話を身に付けているようだ。
 残りのビール、肴を味わい、そして店を後にした。
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