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【雪風流・空想小説】 静かなる隷嬢⑥
2018/09/29(Sat)
 靴を脱ぐと、あやは、揃えて出口の真ん中に置き出船の状態にしてから、自分の靴を脱いだ。
自分の靴をどうするかを見ていると、揃えて脇に置いた。
主の靴を出やすく履きやすい位置に置き、自らは、脇に控えて置く、なかなか良い心がけだ。
隷嬢志願者の多くは、ここまではなかなか気を回すことはできないだろう。そういう意味では、一ランク上の志願者とみてよいだろう。
「さあ、入って」
「はい」
私は、室内に置かれた和テーブルに、窓を背にして腰掛ける。
あやは、しずしずと部屋に入り、背もたれ付きの座椅子には座らず、手にした紙袋(たぶん、私の指定した着替えなどが入っていると思われる。)を置き、脇に腰を下ろした。もちろん正座で。
「Y様、ご挨拶をさせていただきます」
「では、お受けいたしましょう」
「Y様、本日は大変お忙しい中を、あやのためにご調教のお時間をいただき、ありころががとうございます。きちんとお言いつけを守り、ご命令に従い、全身全霊でお仕えし、Y様に喜んでいただけるよう、しっかりとご奉仕をさせていただきます」
そう言い切ると、きちんと三つ指を突き、頭を畳につけた。
当然、しばしの沈黙が続く。
この挨拶があって、主と隷、お互いの立場が明確となる。またこの頭を下げたところから許しを得て持ち上げるまでが隷嬢にとって、一番長く、そして心が苦しくなる時間であることは誰しもが知っているだろう。
「もとに直ってください」
 許しを得たあやは、ゆっくりと頭を上げ、元の姿勢に戻った。
「さて、ではこれからの時間は、今のあいさつでお互いの立ち位置がはっきりしました。私なりに、この時間を進めさせていただくことにしましょう」
「はい。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。いかようなご命令でも」
「では最初に、私が言った、本日の持参品から点検させていただきましょう」
「はい。こちらに用意してまいりました」
 そう言うと、脇に置いた紙袋を引き寄せ、中から、あらかじめ言われた品物を取り出し、目の前に並べ始めた。
 ブラジャー、パンティ、ストッキングなどの肌着が並ぶ。
「あやは、ガーターベルトは持っていないのかな」
「数組持っておりますが、本日は普通のストッキングを身に着けてまいりました」
「そうですか。後でゆっくりと見せていただきましょう」
「は、はい、かしこまりました」
「あと、あなたが普段使っているアイテムもあれば持参するように言ってありましたね」
「は、はい。こちらです」
 そう言うと、小さな赤い巾着を取り出し、中からローターを取り出し、肌着の上に乗せた。
 また、別の小袋の中に、小型の電マが入っている。
「1人の時には、バイブは使わないのかな」
「はい。ローターと電マで、ほとんど満たされてしまうので…」
「そうですか」
「あの…」
「何ですか」
「実はご挨拶の前に申し上げればよかったのですが…」
「何でしょう」
「お手洗いに行かせていただいて、よろしいでしょうか」
「お手洗いに行って、どうするのですか」
「は、はい。あの…、おしっこを…」
「おしっこを、したいと、いうことですか」
「はい。先ほどのビールが効いたようで…」
「あや、私はこの時間は、あなたのすべてを見ることも主としての務めだということはご理解いただいていますか」
「は、はい」
「ということは、私は、あやのおしっこの様子も見なければならない、ということです」
「私のおしっこする姿を、ですか」
「そうです。ですから、これも主に対して、お願いをしなければなりません。お分かりですね」
「は、はい。で、ではご主人様、あ、あやのおしっこをする姿を…、ぜ、ぜひご覧いただけませんでしょうか」
「では、しっかりと拝見しましょう。お手洗いでもよいのですが、よく見えるように、大きな鏡がある洗面台の上に乗って洗面器の中におしっこを出していただきましょうか」
「は、はい。ご主人様がお望みでしたら。させていただきます」
「では、行きましょうか」
 立ち上がって浴室に行くと、ラブホ特有の銀色の洗面器があり、それを取り上げ、あやに手渡す。
 あやは両手で受け取り、洗面場所の脇に置いた。
 洗面台の上に上るためには、踏み台が必要だが、この部屋には湯飲みなどを置くための、小さなテーブルが1つあったので、それを洗面台の脇に置き、それを踏み台にして洗面台に上がらせた。
 天井に頭が当たりそうになるが、少しかがめば、当たらなくできる。
「では、おしっこできる体勢になって」
「は、はい。では失礼して…」
スカートの中に手を入れて、ストッキングとパンティを同時に膝まで下げた。
股間をチラリと見たが、手入れしているようで、きれいに毛波が整えられている。
スカートをたくし上げて、ゆっくりとしゃがみ、そしておしっこを受け止めるために、洗面器を手前に置いた。
「そ、そろそろ出ます…」
 そう言うと、股間からポタポタとおしっこが滴り、そして徐々に量が増し、シャーという音が部屋に響く。
 あやは片手で顔を隠し、羞恥でゆがむ顔を見られないようにしている。
「あや、顔を隠してはいけないよ」
「は、はい。も、申し訳ございません」
「勢いが良いようで、跳ね返っていないかな」
 シャーという放出音は続いているが、徐々におしっこは直線から勢いを失いつつ、収まっていった。
「お、終わりました」
「洗面器の中身を見せなさい」
「は、はい。こちらです」
 おずおずと洗面器を差し出す。
 私は代わりにトイレットペーパーを渡し、股間を拭くよう指示する。
「匂いは強くない。色も悪くないね。健康というところかな」
「は、はい」
「では、拭き終わったら、肌着を元に戻して、気をつけて洗面台から降りて部屋に戻っていなさい」
「はい。ありがとうございます」
 服装を元に戻し、そして洗面台から降りたあやは、そのまま部屋に戻って座った。
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